そして一組ずつ始まった演舞。 颯くん達の少しかすれた声に、いっぱい練習したんだろうな、と思う。 演舞は、もうアイドルのライブみたいで。 バク宙をしたり、何か言ったりするたびに響く歓声。 あたしも今は彼女としてじゃなくて、ファンとして楽しんだ。 もう、カッコイイとしかいえない。 こんな素敵な人があたしの彼氏なんだ、って。 そんなこと夢みたいに思えて…。 「これはモテて当たり前だね…」 「…ね」 あ然としている桃と話しながらも、あたしの目はどうしたって颯くんを追ってしまった。