キミの前に夕焼け



「颯くん達、これから演舞じゃないの?」




支度しなくていいのかな?
と思って聞くと、



「昼休み終わったら準備する」


って言う颯くん。



「颯、桜華ちゃんにカッコイイとこ見せなきゃな?」

「めっちゃ練習したからね」



ニヤニヤしながら颯くんをからかうみんな。



怒る颯くんの頬が赤いのを見て、あたしもキュンとした。




「あの2人、颯くん達と知り合い?」

「えー、羨ましい!」

「まさか彼女…とかじゃないよね!?」





周りから聞こえる声に俯く。



すみません…彼女、です…。



チラッと声のする方を見ると、すごく可愛い女の子達。





「……」




彼女はあたしです、って…

言う自信がない。