キミの前に夕焼け




「ごめん……ホントごめんね」




あたしの涙の跡を優しく撫でる。




「そ……くん…」




「暗い中1人で待ってるとか、危ないからやめてってことで……

俺の学校のやつに絡まれてたし、


桜華は可愛いんだからちゃんと自覚してください」




少し顔を背けて、真っ赤な顔で言うのは反則だと思った。



だって何だって許しちゃうじゃんか。




「あと、さっきの話は続きがあってさ…」



「続き?」




「……会いたかったら言ってよ。

俺が会いに来るから」




颯くんの甘すぎる言葉に、止まったはずの涙が溢れる。




「うぅ~……あたしこそごめんなさい…っ」




優しく抱きしめてくれる。



颯くんの心臓も、あたしと同じくらいドキドキしていて嬉しかった。





「あのさ…」



「ヒック……はぃ…?」




「会いに来てくれて、嬉しかった」





驚いて顔をあげると、


「見んなっ…」




って言われたけど。



真っ赤な顔に、思わずニヤけてしまった。