キミの前に夕焼け




携帯の着信記録を見ながら、また泣いていると。



《メッセージ受信:綾崎颯》



急に切り替わった画面に驚いて、慌ててメッセージを開いた。





《さっきはごめん、言いすぎた。
いま桜華の家の前にいるから、ちょっと出て来れない? 話したい》




ビックリして窓のカーテンを開けると、暗くなった道の街頭だけに照らされた颯くんがいた。



「……なん、で…」




ホントに小さな声だったのに、颯くんはあたしの方を見上げた。



「ま、待ってて……!」





慌てて階段を駆け下り、外に出た。



「颯くん!」