* * *
「山田くん居ますか!?」
来ました、いざ決戦の時!……は、告白する時か。
すでに定位置になっている、あたしが山田くんを呼ぶ時は、教室の後ろのドアって。
ドキドキしながら待ってると、ガタッて椅子を引く音の後、山田くんがこちらに歩いて来た。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。
いたって冷静に。落ち着いて……。
「何?」
うわっ…山田くんだ…。
あたしを見下ろす、いつもと変わらない山田くんの瞳。
毎日会ってるのに、何だか不思議な気分になるのはどうしてかな。
あたしはゴクリと唾を飲み込み、意を決して口を開いた。
「あの…お願いが、ありまして」
「何?また辞書?」
「うえっ…!?ち、違うよ!」
山田くんの中のあたしって、忘れ物常習犯的なイメージなのか…?
そりゃ忘れ物するけど。
でも、ごくたまーにですよ。たまーに。

