じゃあ美喜ちゃん居てくれるなら、小説は家で読もう。
携帯を閉じ、鞄に仕舞った。
「…あ、そだ。美喜ちゃん彼氏さんとは上手くいってる?」
「え?うん。ラブラブ♥」
そう言って可愛らしくピースを作る。
美喜ちゃんはバイト先の男の子と付き合ってる。同い年で、美喜ちゃんから告白したんだって。
照れ屋で不器用だけど、一生懸命な所が好きらしい。
いいなぁ彼氏。あたしも山田くんに『好き』って言って欲しい。
「柚希は?」
「…へ?」
「山田くんと。今日久し振りに会いに行ったでしょ?何か進展あった?」
進展……というより後退はありましたよ。
あたし一方的に怒っちゃったよな……謝りたい。
今さらだけど、あの時はついショックでカッと………。
「ん?その顔は何かあったな?」
「良い方じゃなくて、悪い方でちょっとばかし逆ギレを…」
「えぇっ?逆ギレしたの?」
「うん…だって悲しかったんだもーんっ」
思い出すとまた悲しくなる……。
泣きそうなあたしの頭をヨシヨシて撫でる美喜ちゃんに、事の経緯を全て話した。

