* * *
「…に、してもさぁ~。松川ってほんと馬鹿だよね」
「あ?ケンカ売ってる?」
教室を出る柚希の姿を見送った後、美喜の発した言葉に、松川は眉間にシワを寄せた。
「違うし。不器用だよねってこと。恋愛に関してさ」
だったら最初からそう言えよ。
松川は心の中で呟いた。
「でも、あの子は山田くんしか眼中に無いよ?」
「んなの分かってるっつーの。……つーかさ、何でお前は俺の気持ち知ってんの?」
誰にも言ったことねーのに。
真っ直ぐと見つめる松川に、美喜はとびきりの笑顔で。
「クラス全員知ってるヨ☆」
「えぇっ!!!?」
松川の悲痛な叫びが響いたのは、言うまでもない……。

