「照れ屋じゃない」
「はわぁっ……!」
まさか漏れてる!?心の声、漏れてるのか!?
山田くんは無表情でそう言い、教室に入って行こうとする。
ちょっ…ちょっと待ったー!
「山田くん待ってーっ!」
「……!?」
山田くんのセーターを引っ張り引き止める。
バランスを崩しかけた山田くんだけど、すぐに体勢整えるとかスゴい!
さすが運動神経抜群!!
「…感心してないで離してよ」
「嫌ッス!」
そこは即答。また心の中を見透かされてたけど、そんなもんは気にしない!
山田くんは困ったような怒ってるような呆れたような……。とにかく、早く離して欲しそう。
でも、あたしは、
「…もっと一緒に居たいんだもん…」
俯いて小さく呟くと、少しの間の後、山田くんの溜め息が聞こえた。
うぅ…溜め息吐かれた。
そりゃワガママ言ってるって分ってる。
けど、どうしても離れたくないんだもん。
山田くんとはクラス違うし……寂しいんだもん。