「帰って来たよ山田くん!」
「…あぁ、おかえり」
ドアの近くにいた山田くんは、あたしに気付くと軽く微笑んでくれた。
その笑顔にドキがムネムネです。
「…ちゃんと言えた?」
「うんっ!小野田くんスッゴク良い子でね、何か褒められすぎて逆に照れたと言うか」
「…うん」
「彼氏に一途な柚希さんも好きです~だなんて言ってくれてねっ!?いやぁ~、何でわかっちゃうんだろうね!嬉しかったっ」
「…へぇー」
「おまけに彼氏さんと幸せになってくださいとまで言ってくれて。あんなに人の事考えて自分の想いを伝えてくれる人なんて早々いないよ。本当に嬉しくて、胸が温かくなった!」
「…ふぅん」
……ん、あれ……。
何だか山田くんのご機嫌が斜めなような…。
腕を組み、ドアにもたれ掛かって立つ山田くんは不機嫌そのもの。
あたしと目を合わさず、そっぽを向いている。
…あたし、何かしたかな…!?
「や、山田くん?」
「……何」
「…何か怒ってる?」
「…怒ってないよ」
いやいやいや絶対怒ってるよ…!
だって、顔に黒い影が!黒いオーラが!背中から!
初めて見る、山田くんのこんな顔。
ムスッとして、何だろう…例えるなら……。
「…拗ねた子供?」
「…は?」

