「松川くん!」
名前を呼ばれ振り返ると、そこには立本が立っていた。
あれから一年。
俺の初恋の子は、見事自分の初恋を叶え、今幸せな恋をしている。
まだ立本が好きか?と聞かれたら、正直分からない。
ただ、幸せそうな立本を見ると、よかったなって思う。
けど、山田のことで泣きそうな立本を見ると、放っておけない自分もいる。
……俺はまだ、立ち止まったままなのだろうか。
「どうした?」
「六花ちゃん知らない?見当たらなくて…」
立本の口から出た名前に、心臓が鈍く音を立てた。
最近、六花ちゃんの名前を聞くとどうも胸が可笑しくなる。
多分、六花ちゃんに告白されて、フったからだ。
前々から何度か話すことはあったけど、最近は一緒に海に行ったり、何かと関わりがあった。
俺が立本にフラれた時球技大会や、その後の海。
日常でも、六花ちゃんが隣にいることが多かった。
ただ、そうして近付いたかと思えば、一度も話さない日もあった。
一番多いのが、俺が立本と話している時は絶対邪魔しない。
一緒にいたとしても、二人の間に割って入ったり、無理矢理話そうとはしないんだ。

