柄にもなく、顔が赤くなったのがわかった。


ほら、また来た。この人の得意技の不意打ち。



「…ほんと、勘弁してよ」



そう呟き髪をぐしゃぐしゃっと撫でると、しまりない笑顔が返ってくる。


幸せそうな顔を見てると、自然と笑みが零れる。



「…柚希」



小さく囁き、そっとオデコにキスをした。


……我ながら、恥ずかしいことしたと思う。

何というか……女の子が好きそうな小説とか、マンガ的なことしちゃったなみたいな。


それに気付いたのはした後で、今さらどうしようもないけど。



「…今の忘れて」



けど、やっぱり恥ずかしいもんは恥ずかしい訳で。

この人にバレたら、何言われるか怖くて仕方ない。


冗談半分で静かな寝息を立てる柚希に呟くと、小さく笑った気がした。



          
         ーside聖*endー