ジワッ…と、涙が溢れ出して。

視界が歪んで、言葉が出なかった。



「…バカップルですね、ほんとに」



香里奈ちゃんが隣で呟いたのも、あたしには褒め言葉だってわかっていた。


今すぐに抱き付きたい。でも、まだ試合中だから出来ない。



あたしはとことん山田くん中毒。


山田くんの一言で嬉しくなって、泣きたくなって、笑いたくなって。


山田くんの仕草一つで、胸がキュンて鳴って、心臓が飛び跳ねて、顔が熱くなって。


山田くんが隣にいてくれれば、それだけで幸せすぎて胸がいっぱいになる。



山田くんが初恋で。ただがむしゃらで。頑張るしかなくて。


何度も迷って、その度に目を伏せて、立ち止まって、また光を求めて、足を動かして。


やっと掴んだ小さな灯り。

今は、それを消さないように必死になって守ってるんだと思ってた。


でも、違った。

手にしたのは、ふっと息を吹き掛ければ消えてしまうような小さな灯りじゃなくて、

どんなに風が吹いても、どれだけ深い闇に落とされても、決して消えずに力強く瞬き続ける大きな大きな光で。



その光に、あたしは照らされている。



山田くんを好きになって、本当によかった。


きっとこれからも、この想いだけは変わらない。





「あなたが好きすぎて困るんですがーーーっ!!」



思いっきり叫んだ言葉は、全員の視線を集めたけれど。




「…その言葉、そのままあんたに返すよ」




そんなあたしに笑って返してくれる、あなたが好きすぎて今日も困ってます。