視線を反らし、言葉に詰まる山田くんに首を傾げる。


……あ、ていうかいつの間にか香里奈ちゃんがいないや。

心の中で思わずガッツポーズ。



「…どっか行く?」


「……へっ?」



と、小さく聞こえた声に顔を上げれば、山田くんと目が合いドキッとした。



「…日曜日、二人で」 


「……っ!!?」



そ、そそそそれって…!?



「で、デート…っ!?」


「…声デカいよ」



はっ。つい……。

慌てて口を押さえたあたしは、緩む口元だけは止められなかった。


デートだ…デートだ!山田くんと初デート!


ヤッターッ!!!



「行きますっ!」


「…うん、だからボリューム」


「例え火の中水の中でも!風邪引いても行きます!」


「…もう何言ってもムダかな」


「山田くん大好きっ!!」


「…はいはい」



頭の中でちっちゃいあたしが飛び跳ねてるよ!

嬉しい嬉しい嬉しい。それしかない。


さっきまでの暗い気持ちなんか飛んでって、今は全身花畑。


幸せすぎて泣けるっ!!



「…ふっ。すんごい満面の笑み」


「ウヘヘヘヘッ♡♡」



山田くんとあんなことやそんなこと…ぐへへへへ♪


勝手な妄想に緩む口元。体中から発せられる幸せのお花たち。


山田くんがぽんぽんて頭を撫でるから、あたしは嬉しすぎて桜吹雪を降らせてしまった(笑)。