「あの、山田先輩!わたしそれ配るので貸してください」
さっきまでの気の強さは無くなり、伊吹先輩と話していた時のハキハキとしたカワイイ系ガールに戻っていた。
す、すごい。これもヤツの技か…!?
袋を持とうとする香里奈ちゃんに、山田くんは微笑んだ。
「…いいよ、重いから俺が配る。ありがとう香里奈」
「……っす、すみません…ありがとうございます」
のあー!山田くん優男やー!
ステキすぎる!ステキすぎます旦那ぁ!
と、興奮していたのはあたしだけじゃないらしく、香里奈ちゃんも頬を赤く染めて微笑み返していた。
……あ、何か部員とマネの仲を見せられたぁぁぁぁぁーーー!
ていうかていうかていうか、山田くん今“香里奈”って呼びましたよね!?
えぇーっ!まさかの名前呼び捨てですか!?マジですか、奥さん!
どんだけ親しいんだよ!羨ましいぞ!
伊吹先輩でさえもスミレ先輩って呼んでたのに!
か、彼女のあたしでさえも“あんた”なのに……。
というか、あんたって何だよ。そりゃあんたですよ。あんた?はい!的なね。
ってあたしは何を言ってるんだ。頭に残ってた唯一のネジが飛んじまったのかい?
Oh……寂しいぜベイベー。
「…山田先輩、あの人さっきから一人で百面相してますけど」
「…え?あぁ、いつものことだよ。ほっときな」
……ってえ!?ちょっと目を離した隙にあの二人が一緒に!
し、しかも何なんですか山田くん!?その優しすぎる笑顔は!?
一体誰のことを考えてそんな笑顔してるんですかぁ~っ!!?
と、心の中でわめいていると、バチッと香里奈ちゃんと目が合った。
そして、香里奈ちゃんはフフッ♪と勝ち誇ったかのような笑みを浮かべた!
「ガーンッ」
いや、何だか口に出したかった気分なんです…。

