心の中で悪態を吐き、ついでに外には溜め息を吐いた。
これもモテる彼氏さまをもった彼女の宿命?
だったらしょうがないな。あたし、どんなに大変でも山田くんの彼女を辞める気はさらさら無いし。
伊吹先輩の件で学んだんだ。
恋は、“引いたら負け”!!!
「香里奈ちゃん!」
「わぁっ!?な、何ですか?いきなり」
大きな声を出したからか、香里奈ちゃんは少々ご立腹の様子で、両手で耳を塞ぎながら振り向いた。
そんな香里奈ちゃんの目を真っ直ぐに見つめ返し、あたしは言い放った。
「山田くんは譲りません。彼女の座は、全力で死守してみせる!」
「……は、あ?」
よっし言ったぞ!
柚希言ってやったよマイマザー!
キメ顔をすると、香里奈ちゃんは眉間にシワを寄せた呆れ顔から、小バカにしたような笑みを浮かべた。
「それ、宣戦布告ですか?」
「あったりめぇよおっ!山田くんを好きな者として、ここは引けませんので!」
やっぱりキメ顔のあたしに、香里奈ちゃんはやれやれと言った様子で溜め息を吐いた。
「…柚希さん、噂通り変人ですね」
「わかって頂きよかったわ」
「あり得ないです、そのノリ」
ハァーッとご丁寧に5秒もかけてまた溜め息を吐いた香里奈ちゃんは、あたしの後ろを仏頂面で指差した。
「…わたしは構いませんけど。いいんですか?山田先輩、聞いてましたけど」
「……へ?」
恐る恐る…そーっと後ろを振り返る。
……と、そこには、仁王立ちしてあたしを見下ろす般若のような形相の山田くんがいた。

