「みんなー、こんにちはー!」


「あ、伊吹先輩!」


「こんにちはッスー」



堂々と弓道場へ足を踏み入れ、声を上げた伊吹先輩に部員たちが気付き四方八方から挨拶が飛ぶ。


す、すごいさすが伊吹先輩。人気者だ…。


あたしは伊吹先輩の背中にぴったりとくっつき、体を縮込ませて隠れていた。



「伊吹先輩こんにちは!」


「あ、香里奈~!」



??カリナ?


伊吹先輩の背中からちょこっと顔を出してみると、茶色がかったふわふわの髪を耳の下で2つに結い、可愛らしい笑顔を浮かべる小柄な女の子が立っていた。


ど、どちらさま…?



「香里奈、マネはどう?」


「はい!楽しいです!伊吹先輩に負けないように頑張ってます!」


「そっかぁ~!偉い偉い!」



わぁ~…人懐こい笑顔する子だなぁ~。

伊吹先輩にクシャクシャッと撫でられ、少し乱れた髪も余計に彼女を幼く見せて可愛らしい。


笑うとえくぼの出来る、とにかくカワイイ子だと思った。



「…あれ?」



ドキッ。

彼女と目が合い、あたしは固まってしまった。