「…わかってるけど、こうも断られるとさすがにヘコむ…」


「うん、わかるよ」



夏休みの間も滅多に会えなくて、初日の海以来デートだってしてない。


唯一会ったのは、町で偶然学校帰りの山田くんに会ったくらいかな。


それ以外はメールや電話。実際に山田くんに会うことは、無いに等しかった。


夏休みは大会があって忙しく、これからは部長としての仕事も入り忙しくなる。


一生懸命な山田くんだから、構わないけど。むしろ、あたしより部活を優先して欲しいくらいなんだけど。

応援したい。ていうか、してるんだけど。


……やっぱり、2ヶ月近くまともに会えないのは辛い。




「山田くんの部活は見に行かないの?」


「…前からずっと禁止されてるから、行ったら怒られちゃうよ」


「でも、もう彼女なんだしいいんじゃない?」


「……そう、かなぁ」


「そうだよ!彼女が来たら普通喜ぶもんだよ!柚希も逆の立場なら嬉しいでしょ?」


「うん」



でも山田くんはどうかな…。あの方は特殊だぞ?



「そんなのは男も女もおんなじ!ほら、そうと決まれば今日の放課後、行っておいで」


「…迷惑じゃないかなぁ?」


「だーいじょーぶ!あんたは彼女なんだよ?もっと自信持ちな」



美喜ちゃんはそう言って、あたしの肩をバシバシと叩いた。


い、いててて…。美喜ちゃん痛い。

……でも、ありがとう。少し元気が出ましたぞ!



「ありがとう美喜ちゃん」


「はいはい」



軽くあしらわれたがまぁ良しとしよう。