「きゃーっ!危ない!」


「頭に降って来る~!」


「逃げろーっ!」



もうみんなで大はしゃぎ。


これ、近所の人には多大なご迷惑だな(笑)。


その後も何本かロケット花火を打ち上げ、辺りにはみんなの悲鳴にも似た歓声が響いていた。




「…あ、あとこれだけだ」



そうして花火を各々自由にやっていると、買っておいた花火はあと残り線香花火2本だけとなっていた。


小さい頃から、なぜか線香花火だけ残っちゃうんだよね。

やっぱり締めは線香花火だよなぁ…。


袋から線香花火を一本取り出し、火を着けようとした時。



「…あれ、それが最後?」


「へ?あ、山田くんっ」



ちょうど今持っていた花火が終わったのか、山田くんが燃え尽きたそれを水のはったバケツへ投げ入れた。



「あともう一本だけ残ってるよ!山田くんもやる?」


「ん?あー、じゃあそうしようかな」


「うんっ!一緒にやろ!」



えへへ♪山田くんとオソロで線香花火だぁ~♪


ルンルン気分のあたしは鼻唄を歌いながら、最後の線香花火を渡した。



「ありがとう」


「うん!あ、火着けよ!」