恐らく20代前半くらいのお兄さんは、許可もなくあたしの隣に腰を下ろした。
「海入らないの?」
「あ、彼氏を待ってるんです♪」
ヘヘッ。自分で言っといてだけど彼氏とか照れる!
ずっと言ってみたかったよこの言葉!
これまでにないくらいの笑顔で答えたあたしに、お兄さんは驚いた顔をした。
「えぇ~?嘘はいいよ~。体よく俺を追い払おうとしてるでしょ?」
「??してませんけど…」
だって、普通に話しかけて来ただけのお方だし。
追い払うだなんて……あたし、そんなこと言ったっけ?
首を傾げると、お兄さんは更に驚いた顔をして、突然ブッと吹き出した。
「あははははっ!!キミ、ナンパされてることわかってない?」
「へ?………、…ナンパーーーっ!?」
今度はあたしが驚いた。いや、驚いたを通り越して絶叫した。
だっだって、ナンパって。ナンパでしょ!?
「ブッ!やっぱわかってなかったんだ」
「こっ、ここここれってナンパだったんですか!?」
「他に何があんのよ」
「いやいやいやいや!!普通に通りすがりの爽やかお兄さんだと!」
「くくっ。そんな下心も無しに1人でいる女の子に話しかける男はいないよ」

