それが柚希ちゃんだったんですよね。
要くんはそう付け足して、思い出したのかクスッと笑った。
「最初は、本当にウザかったんだと思います。毎日毎日教室来て、山田くん、山田くん!て。
……けどいつの間にか、柚希ちゃんが居るのが当たり前になってて。
どんなに冷たくしても、毒吐いても、柚希ちゃんは自分から離れて行こうとしなかった。それが、他の女の子達とは違うって……聖も感じたんじゃないかな」
そう、ね。悔しいけど、その通り。
柚希ちゃんは真っ直ぐだ。聖を想って、ただひたすらに突き進む。
その姿が大嫌いで、大好きだった。
眩しいほどに、柚希ちゃんは真っ直ぐで。真っ直ぐすぎて。
私は、目を伏せてしまいたくなったんだ。
何があっても諦めない。その強い意思が恐くて、私は真正面からぶつかることが出来なかった。
聖も柚希ちゃんも苦しめて得る恋なんて、何の価値も意味も無いのに……。

