「…山田くん…」


「ん?」




好き。好き。好き。好き。


本当に、堪らなく、どうしようもなく好き。



こんなに好きになったのは、山田くんが初めてでした。

こんなに嬉しくなったのは、山田くんが初めてでした。

こんなに苦しくなったのは、山田くんが初めてでした。



こんなに幸せになったのは、山田くんだけでした。





「…どうした?」


「…あたしは…」





胸が、張り裂けそうなほど痛む。


心が、嘆くように震えてる。




『聖を好きになった』


『どっちが聖にとっていいのか…』




視界は涙で塞がれてる。


答えは一つしか無かったんだ。






乱暴に涙を拭い、顔を上げて。



あたしは、笑った。