「何?」 うわぁお。不機嫌全開。 隣ではなぜか、要くんが笑いを堪えてる。 「突然ごめんね?…辞書、借して欲しくて」 「何で俺?友達に借りなよ」 うぐっ…ごもっとも。 山田くんの綺麗な顔が歪む。 おお、眉間にシワが寄ると凛々しい…。 ってあたしは変態か! 「まーまー聖。柚希ちゃんはお前に借りたいんだって。お・ま・え・に♪」 リズム良くそう言った要くんは、からかうように山田くんの肩に手を置く。 …あ、すごい勢いで振り払われた。