これだけでは、より正確な位置を把握出来ない上に確信も得られないと思い、次は街の地図を広げてダウジングをやり始めた。

 コンコン。


「ファブニル~。マジで領主来たからマリアが来いって~」

「えぇ。すぐ行くわ」

 使いっぱしりにされたんだとすぐわかり、ファブニルはクスクスと笑いながら片付けをする。
 ドアを開けると、頭の後ろに手を組んで立っているルーシュがいた。

「待たせてごめんなさいね。行きましょうか」

 いつもと変わらない優しい笑顔で接してくるファブニルに、ルーシュはなぜか胸がチクンと痛んだ。

「いいよ別に」

 二人で階段を下りて行くと、ルーシュがピタッと止まった。

「どうしたの?」

「あのなファブニル。何か困ってんなら言えよ、俺力になるから」

「ど、どうしたの急に?」

 目を丸くしながら聞くと、返ってきた言葉は、なんとなく、っというものだった。

 ルーシュらしいといえばルーシュらしいのだが、小さい割に回りの空気を敏感に感じとっている。
 マリアと共に行動してきたからだろうか?