次の日の朝。
 カーテンを景気良く開け、朝日を部屋の中に入れる。

 マリアは強い朝日に目を眩ませ、シーツを顔に覆いかぶせた。

「起きてマリア。朝食食べに行きましょ」

 体を起こし、寝ぼけた顔で頭をかく。

「朝っぱらから元気な奴だ…」

 昨夜泣いていたくせに現金な奴だ、と思いながら欠伸する。

「えぇ。懺悔聞いてもらったからスッキリよ」

「あたしを掃きだめ場にすんじゃねぇよ」

 引き攣り顔で言うマリアに、ふっきれたようにクスクス笑った。

「さあ。隣のネボスケさんも起こしてくるわ」

 ドアを静かに閉め、廊下に出たファブニルは深呼吸をし、隣のドアを景気よく開け放った。

「ほ~ら二人とも! 起きなさ~い!」

 二人はまだベッドに横たわってモゾモゾしている。

「早く起きないと……喰うわよ」

『おはようございますっ!』

 二人は悪寒を感じて、素早く飛び起きた。

「はい、おはよ」

 いつもの優しい笑顔で返すと、ルーシュがポソリと呟いた。

「ファブニル、いつもの顔に戻ってる…」