「はぁい、マリア。久しぶりネ?」

 ウインクをしながら言うファブニルに対し、マリアはゲッソリした顔になった。

「アシ三本生やしてる奴が、言う言葉か…」

「オネェをナメんじゃないわよっ! これでも強く生きてんだから!」

 力強く言うファブニルだが、マリアは肩を落としながら頭を押さえた。

「よーバカ犬! 相変わらずチビだな~!」

「うっせ~っ! これでも骨付き肉ちゃんと食ってんだぞ! それに、バカバカ言うなよエロウルフ!」

 フェンリルの罵声に対し、負けないほどの言い返し。
 ルーシュの言葉に、引き攣り顔になった。

「エロは世界を救うんだよ! 食い気しかねぇバカ犬よりかはマシなんだよ!」

「エロがいつ世界救ったっていうんだよっ!」

 おでこを合わせながら口喧嘩を始めたが、急に地面が揺れはじめた。

『何だ?』

 地震かと思いきや、ここから何十キロも離れた所から、何か巨大な物体が出てきたせいで起こっているようだ。