ファブニルは向かって来るBのパンチを、ステップを踏みながら避け、口元に翳していた鉄扇をBの後頭部目掛けて叩く。

「痛かったかしら?」

 Bは鉄扇をまともにくらい、白目を向いて力無く倒れた。

 ルーシュはその場で、ピョンピョンと飛び、強く地を蹴り、Cに体当たりする。

「ぐおっ!!」

 Cはルーシュの体当たりの勢いで、別のカフェのテーブルまで吹き飛ばされた。

「っしゃ! 俺の勝ちぃ!」

 ちょうど終わった頃に、新しく買ったタバコに火を点けながらマリアがやってきた。

「てめえ何ノンキに登場してくれちゃってるわけ?」

「ノンキも何も、あたしには関係ないはずだが?」

 一人残されたDが、挙動不審になりながらマリアの背後を取り、ナイフを首筋へと当てる。

「ここっ、こいつも仲間なんだな! おい! この女の命が惜しけりゃ跪ずけ!」

『あ、バカ!』