ガウン!


「マリアは全弾撃ち尽くしたぞ! かかれーっ!!」

 何十、何百人もの魔族達がマリア目掛けて襲い掛かる。
 マリアはすかさず空薬莢を落とし、腰にあるポーチから次の弾丸を出し、目にも留まらぬ早さで入れ込む。

 ガウン! ガウン!

『グカアアアッ!!』

 奇怪な声を上げて倒れて灰になる。

 ルーシュは小さな体をうまく使い、魔族達の隙間を通り抜けながら切り裂いていく。

 一瞬にして量は四分の一にまで減った。
 辺りには、魔族達が死したる時に残す黒い灰だけ。

 マリアはポケットからタバコを取り出し、火を点けた。
 一息付いたあと、空薬莢を捨て、今度はゆっくりと弾丸を込めていく。

 残った魔族達は利口だったのか、何もせずに恐れをなして逃げていった。

「う~。あんま歯ごたえなかったよ~」

 つまらないというような顔で、手を頭の後ろで絡ませる。
 マリアは銃を太股にしまい込み、くわえていたタバコを手に取り灰を落とす。