当の本人は来ていないが、見た限り全体でざっと500ほどはいるだろう。
マリアとフェンリルは残り少ないタバコに火を点け、紫煙を吐く。
その団体の中から、一体のまともな姿をした者が現れ、乗り物から下りて一礼する。
「お目にかかり光栄にございます。東のマリア様。我が名は、アガリー=アレプト。我が公爵、バール様のご命令により、貴女様のお命と、その証である指輪を頂きに参上致しました。ご覚悟願えますか?」
やたらと行儀良く挨拶をし、尚且つ言葉遣いも丁寧。
どっかの誰かさんにも見習ってほしいと、そう思う三人の視線の先はマリア。
マリアはその視線に気づいたのか、紫煙を吐きながらそっぽ向く。
「命を狙うのは勝手だが、なぜ指輪まで狙う必要がある?」
マリアの質問に、また深々と一礼するアガリー。

