Wild Rock


 三人は息をのんだ。

 魔族相手なら本気を出せても、ただ操られているシスター達。
 本気どころか手も出せない。


「くっ! 身ねうちにしても、操られているからすぐ立ち上がる。シスターだから厄介ね…」


「どーすんだ?」

「とりあえず!」

『とりあえず??』

 タンッと床を蹴り、後ろへ飛ぶ。

「逃げるわよっ!」

「そんなんアリか?!」

 三人は反対側の廊下を走って逃げた。
 シスター達は三人を追いかける。

「追いかけて来たぞ!」

 ルーシュが振り向きながら二人に叫ぶ。

「足止め程度なら…。
 ピンク・スパイダー!」

 ファブニルは自分の髪の毛を抜き、蜘蛛が糸を紡ぐように巣を張り巡らす。

 それに触れたシスター達は、電気に触れたように身震いをし、その場へ倒れた。

「電気ショクだから、しばらく時間が稼げるわ!」