少し窓を開け、そこに紫煙を吐いた。
紫煙は風に流され、消えていく。
「実際あたしもいろいろなところへ旅してきたさ。一人でな。シスター=ベルテに、武器を選ばされてだ。あたしが先代に洗礼され、称号を得てすぐに旅だったのは、先代に『第五のエレメントを捜せ』っと言われたからだ…」
「その『第五のエレメント』って、何なの?」
マリアは首を横に振り、タバコを窓から捨てた。
「わからない。この広いゾロアスター国すべての町や村、山に行ったが、どこにもなかった。いったいどんなもので、どんな形をしていて、どんな能力を持っているのかも教えられていないのに、捜せというのが無理だったんだ」
腕を組みながらアマンダの方へ向き、ため息混じりで答えた。
「そ…ですか…。あなたにでも、探せれないものなら…いっそ…」
いきなり空間が歪み、辺りが闇に閉ざされる。
「なっ!?」

