Wild Rock


 ワイングラスを手渡し、アマンダは静かに注いだ。

 キンっとグラスを当て、昔のことを話しはじめた。





 別の部屋では、スナック菓子をほお張りながら寝転がっているルーシュがいた。

「な~フェンリル。あのアマンダってシスターさー…」

「あ? てめぇ人のベッドの上で菓子食ってんじゃねっつの! あのシスターがどうかしたのか?」

 枕を抱きかかえながら上目遣いで言った。

「う~ん、なんかさ……」

 目をたまに泳がせながら言うルーシュを不審に思い、フェンリルはピンときた。

「ひょっとして惚れたのか! やめとけやめとけ! お前みたいなお子ちゃまは相手になんかされねーよ。
俺みたいにいい男でないとな…」

 鏡に向かってカッコつけるフェンリルに、ルーシュが一言毒を吐く。

「ナルシストバカじゃね?」

「ぶぁ? バカはおめーだよバカ犬!」