「さ、あんた達は自分の部屋に戻りなさい。夕食までもうすぐだから」
「え? ここにいちゃダメか?」
ファブニルは再度微笑んで言葉を返した。
「食事前に、女はすることがあるのよ」
ルーシュとフェンリルはジト目で同じ事を思った。
(足三本生やしたオネェなのに……)
「何か言ったあ??」
何を考えているのかわかったのか、ファブニルは怖いくらいの笑顔で二人を見て、二人は青ざめた顔で首を横に振って早々と出て行った。
マリアは二人が出て行ったのを確認し、ベッドに横になってうずくまった。
「ごめんなさいね、気づかなくって…。今薬調合するから」
手荷物の中から数種類の粉薬を出し、天秤で粉を計る。
「くそっ。女の身体は厄介だ。こういうとき、男のお前らがうらやましい…」
くすくすと笑いながら薬を手渡した。
「そんなこと言うもんじゃないわ。アタシからすれば、あなたの身体のほうがうらやましいわ。子供産めるし。まぁ、マリアは主のお嫁さんだからどっちでもいいでしょうけど?」

