「闇より生まれし異端なる哀れな人形メイデン!
 汝に還るべき場所はあらず!

 我が聖なる血により浄化する!」

 血の弾丸がそれに応えるように、銃に力を与えて色を変えはじめた。

 銃は赤褐色に変わり、そこからは熱風が吹き荒れる。

 三人はマリアの肩や腰に手を添え、共に力ある言葉を叫ぶ。

『汝に、永久なる眠りを!

 Amen…』


 弾丸はメイデンの脳天に撃たれ、耳の鼓膜が破れそうなほどの断末魔が響く。

 弾丸と蔦が共鳴しあい、メイデンをその断末魔ごと包み込み、花火のように弾け飛んだ。

 それはメイデンの邪悪な魔力までをも浄化し、柱には三人の武器だけが突き刺さり、残っていた。

 その場に冷たい風が吹き、静寂が訪れた。




「おい」

 マリアの眉間に、深いシワが入る。

『え?』

 三人は同時に声を出し、マリアを見下ろした。

「この手は何だ?」

 腰や肩に回された手を指差しながら言うと、三人は冷や汗を流しながら苦笑した。