下唇を悔しそうに噛み締めながらメイデンは立ち上がり、また魔力の風を吹かせた。

「このまま…このまま殺られてたまるかあああっ!」

 魔風を巻き起こしながら、メイデンの姿が変わっていく。

 触手の棘を持った巨大なヒトデのような不気味な姿になり、マリアは舌打ちをした。

「ちいっ! バケモンが!」

 銃を数発撃ち込んだが、メイデンの触手がそれを打ち砕いた。

 触手はそのままマリアに向かって振り落とされる。

 オキニスブレードを構えると、ルーシュが瞬時にマリアの前に現れた。

「ルーシュ!」

「マリアは、俺が護る!」

 鋭い音をたてながら、剣で触手を切り刻む。

 残りの二人は腕や足の部分であろう場所を、次々と切り刻み、硬い皮膚は徐々にひび割れていった。

「デカくなって、弱くなったんじゃねぇの?」

「ちょこまかと、半端者のくせに!」

 残りの触手で三人を薙ぎ倒そうとするが、それを土台にして避けられた。

「半端者は、てめぇだメイデン!」



 グジュル!