マリアの顔に向かって指差すと、マリアは鼻であしらった。
「敵うものがいないだと? 笑わすんじゃねぇよ」
吹き付けるように紫煙を吐き、腰に拳を当てて見下す。
「あたしに正面切ってケンカ売るとは、いい度胸だな。てめぇも、あたしのヒールを舐めさせてやるよ」
まるで後ろにいる三人が舐めたように言うと、きっぱりとした答えが跳ね返ってきた。
『舐めてないっ!』
「あなたの美学を言うなれば、売られたケンカは買うのよね?」
「ほぅ。よく調べてるじゃねぇか」
男三人、一人はオネェだが、それらを置いてきぼりにしながら、マリア達は話を進めていた。
メイデンはトンッと床を蹴り、マリアから離れた。
パチンと指を鳴らすと、天井が開いて青空が顔を出す。
「改めて、ようこそ我が城へ。ここは処刑場。あなた達の、死する場所…」
四人はそれぞれの武器を構え、静かに佇むメイデンを見据えた。

