ブーイングを飛ばすルーシュとフェンリル。

 半ギレのマリアがその口を閉ざすように、ムチを二人の首に巻き付けた。

「ぐだぐだ言ってねぇで歩け。吊るし上げるぞコラ」

『あ…歩きますですっ』








 やっと最上階までたどり着いて、四人はへたばっていた。

 カツンと靴音が聞こえ、四人は同時に顔を上げて目を点にした。

【結構お早く着きましたね?】

「何でてめぇがいるんだよ! こっから先、行けねぇっつったじゃねえかよ!」

 激怒しながら指差すと、執事はポンッと手を打った。

【確かに言いましたが、階段を上ることを許されてませんので…】

「それじゃアナタ、いったい何で来たっつーのよ!」

 ニッコリとした顔で指差した方を見ると、そこにはゴンドラがあった。

 こんなものがあるなら、なぜ最初からゴンドラに乗せなかったのかが謎。

「何で言わなかったんだよ! 俺達疲れ損じゃんか!」

 今度はルーシュが叫ぶと、執事はまだニッコリと微笑んだ。