「くそっ! どこまで続くんだこの階段!」
かなりご立腹なフェンリルの叫び声がこだまする。
他の三人も疲労が見え、壁に手をつきながら上っている。
「さっき、ちぃ~っさい看板見つけてね、空飛んだ方が早いって、思ったわよ!」
「な、何階まであんの~?」
階段で横たわるルーシュに聞かれ、げっそりとした顔で答えた。
「47階…」
『……』
それを聞いて、一瞬間が凍り付く。
「だ~っ! 絶対無理っ! ガチで無理! 飛ぼうぜ!」
「ムダだな…」
うっすら汗を拭いながら親指で壁を指差した。
「古すぎて欠けている部分も多いが、古代の魔封じの刻印が刻まれてる。ご丁寧に、神封じの刻印までありやがる。
この階段では魔法はおろか、ライティングすら使えない」
フェンリルがライティングの呪文を唱えると、言った通り発動せず。
古代の物でも、効果は今も続いているようだ。
「地道に足で上っていくしかなさそうね…ハァ…」

