ポンッと白い煙とともに、ウサギイヌは一人の人間へと姿を変えた。

 その姿は、髪をオールバックにし、眼鏡をかけた見目麗しい執事。

【この姿ではいかがでしょう?】

「おっけい!」

 ファブニルは親指を立てらせながら目を光らせた。

 あとの三人は、呆れて言葉も出なかった。


【私は案内役としてここまで来ました。何分、私は戦闘は苦手でして】

 魔族に苦手という言葉もなかなか聞かないが、何にせよ着いていくほかなかった。

「俺絶対着いていくからなっ!」

「重い! 太っただろバカ犬!」

 フェンリルの背中にしがみつきながら言うと、執事は苦笑しながら承諾した。

【我が儘になりましたね、我が君。ではこちらへどうぞ】

 執事は手を出しながらニッコリと微笑んだ。

 爽やかに吹く風を浴びながら、四人は案内役の執事の後ろを着いて行っていた。

【何やら質問したいような視線を感じますが、私が答えれる範囲でしたらお答えしますが?】

 少々困りぎみに言うと、まず始めにフェンリルが問いかけた。