【大変申し上げにくいのでございますが、姫君の城はお子様はご遠慮させていただいております】

 お子様というと、一人しか当てはまらない。

 三人はルーシュに視線を落とした。

「コラッ! 何で俺入っちゃダメなんだよ! おにおこぷんぷんまるだぞ!」

 じだんだ踏みながら怒ると、三人は鼻で笑いながら言った。

「だって、お子ちゃまですものねぇ?」

「そーそー。『マリア~』って、ぴーぴー泣くし」

「邪魔だな」

『お前帰れ』

 つぎつぎと薙ぎ倒すセリフを言われ、ルーシュはショックで泣きわめいていた。

「みんなひでぇ~っ!」

 不細工になった顔でウサギイヌを睨み、指差しながら全員の言葉を拒否した。

「俺、帰んないもん!」

【姫君に叱られちゃいます~】

 語尾にハートが着きそうなくらい可愛く言ってくれるが、そのしわがれ声でだいなし。

「キモすぎるわっ! アタシの美に反するわっ!」

 青白い顔になりながら一歩後退すると、ウサギイヌはため息をつきながら鼻をヒクヒクさせた。