廃墟に響く奇怪な叫びに耳を押さえ、影からは黒い何かが魔物を飲み込むように飛び出した。
「出たな!」
異臭を放ちながら実体を表すその姿に、二人は驚いた。
『アンラ=マンユ!!?』
黒い布切れには無数の目があり、足ある場所には蛇が無数に存在した。
異国の魔物ではあるが、力はあのルーシュ=デモンに匹敵する力を持っていると言われている者である。
「フ、フツーこんな時にこんなの出ないわよ!」
「メイデンの奴、顔が広いにもほどがあるぞ!」
焦りを隠せない二人だが、ある意味相手にとって不足はない。
メイデンよりかは格下なのだから。
【おおおぉ…。我が本体が出るほどの驚きを貰ったぞ、オルレアンの聖女よ。汝は歴代の聖女よりも面白い奴じゃ】
「フン。このあたしを、他の聖女と一緒にすんじゃないよ」
【減らず口じゃの。ワシに敵うとでも?】
「あたしが行く道に立ちはだかる奴はね、あたしに道を譲り、あたしの前に平伏すのが当たり前なんだよ!」
オキニス・ブレードを発動させ、呪文を唱える。

