ファブニルとマリアは言い争いながら、何かをハッと思いついた。

 二人はニヤリと笑みを浮かべながら武器をしまい込んだ。

「ルーシュとフェンリルはメットでも被って隠れてなさいね!」

 二人は言われるがままヘルメットを被り、頑丈に姿を保っている家の中へ入っていく。

「何で俺達隠れなきゃなんねぇの?」

「まあ、言うこと聞かねぇと、掘られそうだから隠れた」

「納得」

 ルーシュは体育座りのまま頷いた。

 マリアとファブニルは、危険だとわかっていて姿を現した。

【覚悟ができたのかのぅ?】

 両手の長い爪が鈍く光る。

「あたしは正面から行かせてもらうぞ。アレは完成したんだろうな?」

「レディーファーストですもの、そこは譲るわ。それに、おねぇの頂点に立つアタシに、できないことはないわよ?」

 いつ頂点に立ったのかは知らないが、マリアは鼻であざ笑った後、ムチを地面に叩きつけた。

 ファブニルは針を指の間に挟んで構える。