【投げられたからのぅ、返さねばならんというジジイの詫びも込めて返したんじゃが?】
長い爪で仮面を掻きながら言われ、魔族にも『詫び』という言葉があるのかと首を傾げた。
何だか自分のペースを狂わされる相手のようで、四人は少し困惑していた。
その空気を破るように、マリアは舌打ちしながら数発撃つ。
銀の弾丸は短剣同様、掌に吸い込まれた。
「バカな!」
マリアは小さく叫んだ。
それもそのはず。
悪魔祓いのために造られた弾丸なのに、灰にもならず、いともあっさりと掌に飲み込まれてしまったのだから。
【また厄介なモンを年寄りに撃ちおって。とりあえず返すかのぅ】
反対の腕を伸ばし、撃たれた弾丸を撃ち返され、マリア以外の三人はわたわたと逃げ惑う。
「ちょっと考えて撃ちなさいよマリア! あんなの喰らったらアタシ達死んじゃうじゃないの!」
「うるせぇ! てめぇも一緒なことして何言って…」

