メイデンから招待された場所は、かつて聖都と呼ばれたアトラティス。
その昔、アトラティスに巨大なドラゴンが現れ、壊滅状態だった所をゲオルギウスという名の勇者が一本の槍を持って退治したという、伝説の残る都市。
だがそこは疫病が流行り、死滅した場所。
今の聖都は、マリア達が住んでいるハルタワートシティだ。
アトラティスに着くまで、刺客が吐いて捨てるほどやってきた。
フルコースの前菜の如く倒して行く三人。
たまに手を貸すくらいのマリアを背に、その日は暮れて行った。
アトラティスまでは村も街もない。
仕方なく四人は野宿することになった。
ビールを片手に、ファブニルが作った夜食を肴にするマリアとフェンリル。
ルーシュは体力温存のためか、食べるだけ食べてすぐ寝てしまった。
焚火を絶やさないように、枯れ木を放り込む。
燃える炎を見据えながら、ポソリと呟いた。
「ねぇマリア。アタシ達、あの機械人形に勝てるかしら?」

