「その言葉に、間違いはない?」

「ありませんわ。私はあの時、ルーシュ様の代理として軍を率いていましたもの。それに、憎い女なら尚更…」

 瞳を見定めたメイデンはフイッと顔を背け、地に足をつけた。

「いずれにせよ、聖戦争の再来だ。だが我等はあの女に『契約書』を持たれている以上、身動きは取れん」

「え~。命令なしで動きたいぜ」

 バールの言葉に、ベルゼビュートはダダをこねるようにその場に座り込んだ。

「今はあたしがあいつらの相手をするよう命を受けてるから、あなた達はゆっくりワインでも飲み交わしてなさいよ」

 視線だけを四人に向け、メイデンは空間を歪めてその場から消え去った。

「我等も墜ちたものだ。よもやあんな人形なぞに見下されるとはな……」

 ため息混じりに眉を潜めると、四人も同じく空間を歪めて王座の間から姿を消した。