チャラっとアクセサリーを握りしめ、瞳を閉じる。

 ルーシュは力の源である魔力を無くし、小さな子供の姿に変わっていた。

 ミカエルは寝息をたてているルーシュの首に、もしものときを考えて銀の首輪の制御装置を着けた。

 そしてルーシュはミカエルの手によって『針の塔』へと封印された。

 ユリシーズが地上へ戻ると、ルーシュ=エルを殺害したとして魔女と罵られ、火炙りの刑に処された。

 嘘偽りが誰によって引き起こされたものからわからず、ミカエルは悲しみに暮れ、そしてその命により、現代に語り継がれるオルレアンの聖女が誕生したのだ。


 ユリシーズの想いは受け継がれているかどうかは定かではないが、ただ魂だけは、確かにルーシュを見つけだしていた。

 マリア=サムシエル。

 その名は、『神の強き太陽』という、人々に、そして天と魔に光りを与える存在の名である。