「泡パックはどんなカンジ?」
ファブニルがメモを取り出しながら感想を聞いてきた。
「サイコー」
肩を竦めながら答えると、次からためそうかしら、と呟いた。
「や~いバカウルフ~」
「てめぇに言われる筋合いねんだよ! ノーミソヨーグルト犬!」
「俺のノーミソって、ヨーグルトなの?」
恐る恐るマリアに質問すると、呆れた顔で紫煙を吹き付けられた。
「くだらねぇこと言ってねぇで、さっさと片付けな」
ナックルをパキパキ鳴らしながら返事をし、人魚は湖の水を操り始めた。
「でもおかしいわね? 人魚(マーフォーク)は海の生き物のはずなのに、何でこんな離れた湖なんかに…?」
手を口元に当てながら言うと、人魚はクスクス笑いながら答えた。
【メイデンから少々力を貰ったのよ。海よりこっちのほうが餌が豊富なの】
水は音を立てながら凍り付き、何十本もの矢となって四人に襲い掛かった。
軽々と避けたはいいが、人魚の言葉が脳裏を過ぎる。

