首にムチを巻き付けられ、もがく俺。

 じわじわと焼かれるほど首が痛い。

 おまけに縛り付けられてる手首も足も痛い!

 マリアは掌を空に翳し、一筋の光りを受け止めた。

 それは掌でクルクルと回り、チェーンのようなものに変わった。

「首輪着けて、ご主人様に許しを請いな!」

 キャッツアイが埋め込まれた鋼鉄の門を象ったペンダントが俺にかけられた。

「魔力制御装置を着けるくらいなら、殺せよ! アニエスのところへ逝かせてくれよ!」

 人間の姿になった俺は、泣きながら訴えると、マリアはしゃがんで視線を俺に合わせた。

「自分で自分を殺せねぇのに、他人に『殺してくれ』だと? 甘ったれるんじゃねぇよ」

 頬を殴られ、地を舐めた俺に更に言葉は続いた。

「禁忌の子だろうがなんだろうが、命ある限り生きてくのが、死んだ奴への弔いなんだよ。死に急ぐ時間が重要じゃねぇ。生きていく時間の中でどう足掻き続けていくかが重要なんだよ」