店主もほとほと困り果てたような表情を浮かべていた。
ルーシュはそんなことおかまいなしに、皿に盛られたムートンパスタを平らげる。
「該当しそうな奴はいるか?」
タバコを消しながらファブニルに問い掛けると、口に手を当てて少し考え込んだ。
「歌声・泡・自分の思った通りの姿。ん~、どれをとっても海の魔物しか思いつかないわ~」
お手上げ状態のファブニル。
魔王復活の魔力のせいで、突然変異を起こした可能性もある。
いくら考えても答えは出ず、フェンリルがこちらに合流してから行動に出るという結論を出した。
フェンリルが、その魔物の餌食になっていることを、知らずに…。

