マリアはミカエルの方に向き直し、腕を組みながら言う。

「そのダマシにのってやる。だが気になることがある。お前はさっき『四人で』と言ったな? 魔王復活の邪気が立ち込めていく中、なぜ魔に属するこの三人を指名した? 確かにこいつらの力だけは認めるが…」

『力だけかよ!』

 三人は息ピッタリでツッコミを入れた。
 だがマリアはそれを無視して話を続ける。

「それに、いつ魔の力が勝り、制御のきかなくなったこいつらが、あたしに牙をむくかわからない。そんな危険因子どもを連れていくだなんて、そんなバカげた事は…」

「それはないかと思いますが?」

 マリアの言葉を笑顔で挟む。

「マリア? あなたはわかっているはずです。この三人がこの世界で、いかに貴重で異端なる者達かと…」

 マリアは三人の顔触れを見回す。

 舌打ちをし、マリアは振り返って歩きだした。

「…くぞ…」

『え?』

「行くぞと言ったんだ。何度も言わせるなバカ共。他の『マリア』なんぞに先こされてたまるか」

 負けず嫌いで自分勝手な言い分。まだ三人の返事すら聞いていないというのに、ついて来るということを前提として言っている。