Wild Rock



 メイデンと呼ばれた少女は、小さなため息をつきながら答えた。

「アガリーの報告を、聞いていなかったの? [あの方]は、生きている、と…」

 二人はいきなり現れたメイデンにも驚くが、何よりも、ルーシュが一体何者なのかがわからなかった。

「てめぇら! ルーシュに何しやがった!」

「何もしていないわ。[あの方]がお目覚めになっただけよ。我等魔族を率いる、魔王様直属の部下。
 ルーシュ=デモン様がね…」

『なっ?!』

 二人は同時に声をあげた。

「…うる…せぇ…」

 痛みは残っているのか、腹を押さえながら起き上がろうとするマリア。

「マリア! よかった気がついて!」

 かすむ目をこらし、変貌したルーシュを見つめ、立ち上がろうとする。
 言っても聞かないマリアなのがわかっているのか、ファブニルは何も言わずに肩を支えた。

「また、封印が解かれたか…」

「あなた、知ってたの!?」

 マリアはルーシュを睨みつけた。